新築住宅(建売住宅)の購入の流れと注意点

購入する新築住宅の売買契約を締結すれば、その後は引渡しを受けて入居へと進んでいきます。初めて家を買う人にとっては、この売買契約から引渡しや入居までの流れがどのようになっているのか、その流れのなかで買主が何をすべきなのかといったことについて不明点が多いものです。

ここでは、新築の建売住宅を購入した人を対象に、売買契約~引渡し~入居の流れをわかりやすく解説し、さらにその間に買主がすべき準備や注意点をお伝えします。ここに書いていることを理解しておくことによって、契約後に起こしがちな買主の失敗を無くすことができます。

中古住宅を購入する人が、購入の流れを学びたいなら「中古住宅の購入・引渡しの流れと注意点」をご覧ください。

新築住宅・建売住宅とは?

新築住宅・建売住宅とは?

新築住宅の購入の流れについて説明する前に、新築住宅とはどういうものか、建売とは何かという基本的なところを説明しておきます。

新築住宅とは?

新築住宅とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(略して、品確法と言う)において、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く)」と定義されています。

つまり、まだ売れていなくても完成してから1年を超えると新築ではなく、中古住宅の扱いとなります。ただし、この記事では、新築住宅を購入するときの流れについて書いていますので、法的な区別はあまり意識せず、1年超の売れ残り物件であっても参考になるものとなっています。

建売住宅とは?

建売住宅については、法律上の明確な定義はありませんが、基本的には、事業主が土地と建物を一体のものとして販売しているもので、その建物のプラン・仕様は、その事業主が企画・決定しています。

一部の物件においては、事業主が計画した仕様から多少の変更要望には対応するケースもあります。

建売住宅は、1990年頃までは、建物が完成して販売されていましたが、その後、建築途中の段階や着工前の段階で販売を開始するケースが出てきました。今では、完成前に販売している物件の方が多いです。

まだ完成していないからこそ、前述したように、多少の変更要望には応じられることがあるのです。

ちなみに、分譲住宅も基本的には同じ意味で用いられる言葉です。

新築住宅には、建売住宅以外の注文建築の家も含まれますので、建て売りは新築住宅の一種ということになります。

この記事では、新築住宅のうち、建売住宅についてのみ言及しています。

新築住宅(建売物件)を購入するときの取引の流れ

新築住宅(建売物件)の購入の流れ

同じ新築の建売住宅であっても、完成物件を買った場合と未完成物件を買った場合で、売買契約後の流れに多少の相違点があります。こちらでは完成済みの新築住宅をベースに説明していますが、未完成物件を購入した人にも役立つ内容になっております。

それでは、新築住宅(建売物件)を購入した場合における流れについて、「契約前の準備」「売買契約」「契約後から入居まで」に分けて説明します。

<契約前の準備>

  1. 売主へ購入の申し込みをする
  2. 契約日および契約条件を調整する
  3. 住宅ローンの事前審査を申し込みする
  4. 住宅診断(ホームインスペクション)を利用する
  5. 重要事項説明書と売買契約書を事前チェックする
  6. 手付金を準備する

<売買契約>

  1. 不動産会社より重要事項説明を受ける
  2. 売買契約を締結する(同時に手付金を支払う)
  3. 融資(住宅ローン)の申込書類を準備する

<契約後から入居まで>

  1. 買主が金融機関に融資(住宅ローン)の申し込みをする
  2. 金融機関から融資承認の連絡がある
  3. 日程調整を行う(引渡し前の立会い検査日・引渡し日)
  4. 司法書士に必要書類を送付する
  5. 建物が完成する(未完成物件を購入した場合)
  6. 引渡し前の立会い検査(内覧会)を行う
  7. 引渡し・残代金の支払い・登記手続きを行う
  8. 入居する

以上が契約前から入居までの全体の流れです。これを見ただけでも何となく取引の流れを把握できることでしょう。しかし、買主がするべき準備や注意点について詳しく理解しておくことが住宅購入で失敗しないコツですから、以降でより詳しく説明していきます。

「契約前の準備」における流れの詳細や注意点

契約前の準備

契約前の準備の流れとして以下を挙げました。

  1. 売主へ購入の申し込みをする
  2. 契約日および契約条件を調整する
  3. 住宅ローンの事前審査を申し込みする
  4. 住宅診断(ホームインスペクション)を利用する
  5. 重要事項説明書と売買契約書を事前チェックする
  6. 手付金を準備する

これらについて1つずつ説明します。

1.売主へ購入の申し込みをする

不動産会社が準備する購入申込書に、価格などの購入希望条件を記載した上で署名・押印して売主へ提出します。不動産仲介業者を介して購入するときは、その仲介業者を介して売主へ提出してください。

購入申込についてもっと詳しく知りたい人は、「不動産購入申込書の基礎知識と提出前の注意点」が良い参考になります。

2.契約日および契約条件を調整する

申し込みをするのと同時に売主との間で契約条件を詰めていきます。契約条件の1つが売買価格ですが、契約日や手付金の金額などについても調整します。仲介業者がいる場合は、全てその仲介業者を介して売主と交渉していく必要があります。

3.住宅ローンの事前審査を申し込みする

住宅ローンを利用して住宅購入する人が多いですが、その場合、金融機関にローンの事前審査(仮審査とも言う)の申し込みをします。これは、本審査ではなくて簡易的な審査ですので、ここれで承認がおりても、本審査で承認されないこともあります。

事前審査の期間は、タイミング等の条件によりますが、3~5営業日くらいです。

4.住宅診断(ホームインスペクション)を利用する

購入するかどうかの参考とするために住宅診断(ホームインスペクション)を利用する場合は、売買契約の前に実施しておきましょう。「1.売主へ購入の申し込みをする」ときに住宅診断(ホームインスペクション)を利用することも伝えておき、その診断日を調整してください。

不動産会社からは、売主が第三者検査を利用しているから必要ないと説明を受けることがありますが、それは目的も内容も異なるものですから、買主にとってはあまり参考になりません。このことは、「不動産業者が言う「新築住宅の住宅診断は不要」は本当か?」がよい参考になります。

新築一戸建て住宅診断(建売のホームインスペクション)
一級建築士

「2.契約日および契約条件を調整する」から「4.住宅診断(ホームインスペクション)を利用する」までは、順番に進めていくというよりも同時並行で進めていくイメージです。

5.重要事項説明書と売買契約書を事前チェックする

売買契約に際しては、重要事項説明書と売買契約書という2つの重要な書類に署名・押印することになりますが、これらについて契約日に初めて内容を読んで説明を受けたとしても、初めて家を買う人が理解することは非常に困難です。

そこで不動産会社に、「重要事項説明書と売買契約書を事前に読んでおきたいので、写しをもらいたい」とお願いしましょう。買主から事前にもらえるように依頼しておかないと用意してもらえないことが多いので、必ず依頼してください。

事前に読んで理解しておくのは何も悪いことでもありませんから、遠慮なく写しの用意をお願いして大丈夫です。これを拒否されることはないはずですが、万一、拒否されるようであれば信用できない業者ですから購入を見直した方がよいでしょう。

6.手付金を準備する

売買契約の際には手付金を支払う必要がありますから、その金額を準備しておきましょう。契約日に現金で支払う場合には銀行からその金銭を下しておかなければなりませんし、振込するのであれば振込元の口座に資金を入れておかなければなりません。

「売買契約」における流れの詳細や注意点

売買契約

契約の流れとして以下をあげました。

  1. 不動産会社より重要事項説明を受ける
  2. 売買契約を締結する(同時に手付金を支払う)
  3. 融資(住宅ローン)の申込書類を準備する

これらについて、1つずつ詳細を説明します。

1.不動産会社より重要事項説明を受ける

購入する物件に関する重要なことについて書面で説明を受け、その書面に署名・押印しますが、これを重要事項説明と言います。不動産業界では略して「重説(じゅうせつ)」と呼んでいますので、営業マンによってもこの略称を買主に対しても使うことがあります。

この重要事項説明は必ず売買契約の前までに実施すべきと義務付けられておりますが、売買契約の直前でも構わないため、同日に実施することが多いです。丁寧な不動産会社は、契約日よりも前の日までに実施しています。

重要事項説明書やこの後に説明する売買契約書に押印する印鑑は、認印でも良いのですが実印を指定されることもあります。不動産会社にいずれであるか確認しておきましょう。

2.売買契約を締結する(同時に手付金を支払う)

売買契約は契約書を交わすことによって行います。契約内容について説明を受けた後に、署名・押印することになります。「契約前の準備」であげた「5.重要事項説明書と売買契約書を事前チェックする」をきちんとしておれば、事前に受領していた写しと内容に相違ないか確認してサインすれば安心です。

事前に写しをチェックしていないのであれば、時間をかけてでも内容を理解する努力が必要で、不明点は納得できるまで繰り返し質問することです。大事な契約ですから、後戻りできなくなる前によく確認してください。

この売買契約と同時に手付金を支払います。振込する場合は、契約時点で振り込みできていることを確認できるように前もって振込手続きをしておくことが多いです。

3.融資(住宅ローン)の申込書類を準備する

金融機関の融資(住宅ローン)を利用するならば、その申込書類を記入するなどして申し込み準備をしなければなりません。売買契約日に申込書への記入等をすることも多いですが、そのスケジュールについては不動産会社に尋ねて打合せしておきましょう。

融資の申込書類への押印も基本的には認印でよいはずですが、金融機関に確認しておきましょう(申込書に説明書きがあることが多い)。

金融機関への申し込み時に提出すべき書類についても準備が必要です。所得証明書や住民票などが必要ですが、金融機関によって異なることもありますので、指定された書類を確認したうえで準備しましょう。書類の一部については不動産会社が準備することもありますので、売買契約の時などに打合せして確認してください。

「契約後から入居まで」における流れの詳細や注意点

契約後から入居まで

契約後から入居までの流れとして以下をあげました。

  1. 買主が金融機関に融資(住宅ローン)の申し込みをする
  2. 金融機関から融資承認の連絡がある
  3. 日程調整を行う(引渡し前の立会い検査日・引渡し日)
  4. 司法書士に必要書類を送付する
  5. 建物が完成する(未完成物件を購入した場合)
  6. 引渡し前の立会い検査(内覧会)を行う
  7. 引渡し・残代金の支払い・登記手続きを行う
  8. 入居する

これらについて、1つずつ詳細を説明します。

1.買主が金融機関に融資(住宅ローン)の申し込みをする

予め準備しておいた融資の申込書類や申込時に必要な書類を持参して金融機関に申し込みします。インターネットで申込して必要書類は郵送またはホームページでアップロードするという金融機関もあります。また、不動産会社が買主に代わって書類を金融機関へ提出することもあります。

2.金融機関から融資承認の連絡がある

融資の審査結果については、金融機関から連絡が入るまで待ちましょう。不動産会社の提携ローンであれば、不動産会社を介して審査結果を聞くこともあります。金融機関から融資承認の通知があれば、その通知を不動産会社へ提出するなどして連絡してください。

3.日程調整を行う(引渡し前の立会い検査日・引渡し日)

売買契約の際に引渡し日やその前に実施する引渡し前の立会い検査日について取り決めていることが多いですが、この頃に日程変更がないか売主と確認しあいましょう。このタイミングで日程を再調整するケースも少なくありません。

特に建物が未完成の状態で売買契約を締結した場合は、建物の完成時期が遅れる等の問題が生じることもありますから、状況に応じた対応が必要になります。工事が遅延して完成時期が遅れるときには、「新築住宅の工事が遅延して引渡し日に間に合わないときの注意点」も読んでください。

引渡し前の立会い検査は、建物の施工品質や契約通りの建物が出来上がっているかを確認する非常に重要な機会で、確認会や内覧会と呼ぶこともあります。売主から、この日の提示が無いときには買主から日程を聞いてください。一部の売主は、買主から要望しないとこの大事な機会を設定しないことがあるので注意してください。

4.司法書士に必要書類を送付する

購入した住宅の所有権の移転や抵当権(住宅ローンの担保権)の設定などといった登記手続きが必要ですが、この登記は司法書士に委託するものです。この登記手続きに必要な書類については、不動産会社を介して案内があるはずですから、それを準備してください。

売買契約の時点で必要書類の案内があることが多いですが、その案内が無ければ買主から早めに聞いておいた方が無難です。

5.建物が完成する(未完成物件を購入した場合)

売買契約を締結する時点で建物が完成していなかったならば、その完成を待つことになります。完成時期が契約日から2カ月後や3カ月後などとかなり先であることもあります。

また、未完成物件を購入したのであれば、建築中の様子をチェックすることが可能です。「建築中の住宅検査(ホームインスペクション)で隠れる前に見るべき4つのポイント」を参考にして施工品質を確認した方がよいでしょう。

ただ、買主が自分でチェックするには知識や経験の点で限界がありますから、第三者による住宅検査も検討するとよいでしょう。

6.引渡し前の立会い検査(内覧会)を行う

完成済みの新築住宅を購入した人も未完成物件を購入した人も、引渡しの前に購入した物件を最終確認する機会があります。この後に残代金を支払うことになりますから、その前にきっちりチェックして後悔しないようにしておきましょう。

チェックすべきポイントは、施工品質に問題ないか、契約した通りの建物であるかという点です。以下にチェックリストを用意していますので、丁寧に確認してください。

立会い検査で指摘した事項については、売主に補修してもらい、その補修後の状況も必ず現場で確認してください。その確認で問題なければ、次の引渡しへと進んでいきます。

また、売買契約の前に住宅診断(ホームインスペクション)を利用していない人は、このときに専門家を同行するサービス(内覧会立会い・同行)を利用するとよいです。

工事が遅延しようとも、この立会い検査は必ず引渡し前に実施することが大事なポイントですから注意してください。引渡し前の注意点をもう少し詳しく知るためには、「新築住宅の引渡し前の注意点(内覧会と引渡し)」が役立ちます。

竣工検査・内覧会立会い
新築の引渡し前の竣工検査に専門家を同行

7.引渡し・残代金の支払い・登記手続きを行う

立会い検査とその後の補修工事を無事に終えたら、いよいよ引渡しを受けるときです。引渡しは、金融機関で実施することが多いです。このときに、残代金を支払い、さらに登記手続きに必要な書類に署名・押印します。

引渡しはこれで完了しますが、この直後に司法書士が登記申請を行い、後日、登記が完了します。つまり、引渡し日の時点では登記上の名義はまだ買主に変わっていないということです。

引渡し前のことをもっと詳しく知りたい人は「新築住宅の引渡し前のチェックポイント」をお読みください。

8.入居する

引渡しを受けた後は、買主の住宅になっていますので、いつ引っ越して入居しても問題ありません。引渡し日が変更になる可能性も考慮して、引越し日は引渡し日から少し余分を見ておいた方が無難です。引渡しの翌日に引越しするスケジュールを組んでいたものの、引渡し日が工事遅延などで遅れて困っている人は少なくありません。

以上が、売買契約から引渡し、入居までの流れとその注意点などです。一度で全てを把握することは困難ですから、まずは最初の「新築住宅(建売物件)を購入したときの取引の流れ」を把握しておき、取引の進捗にそって必要なことを読み返していくとよいでしょう。

建売住宅の購入にかかる期間

建売住宅の購入にかかる期間

はじめて家を買う人にとってわかりづらいことの1つが、購入するのにかかる期間がどれくらいかかるかという点です。

これは、購入する物件の書類やその人の決断力、良い物件にいつ巡り会えるかといった不確実な要素などに左右されるため、一概に言えることではありません。

ここでは、家探しをしてから入居するまでの期間について、以下の2つのステージに分けて説明します。

  • 家探しの開始から売買契約まで
  • 売買契約から引き渡しまで

以下では、この2つのステージについて説明します。

家探しの開始から売買契約まで

家探しを開始してから、購入を決断する物件に出会うまでの期間は、人によって大きな違いがあります。何年も探し続けている人がいる一方で、それほど真剣に考えていなかったのに、何となくふらっと立ち寄ったオープンハウスで即断する人までいろいろです。

よって、家探しの開始から売買契約までに至る期間は、1ヵ月未満から数年ということになります。

売買契約から引き渡しまで

購入する物件を決めて売買契約を締結してから、引き渡しまでにかかる期間は、以下の2つのタイプに分けて考える必要があります。

  • 完成済みの建売住宅を契約したケース
  • 未完成の建売住宅を契約したケース

では、それぞれについて説明します。

完成済みの建売住宅を契約したケース

売買契約の時点で、既に建物が完成しているのであれば、売主側としてはすぐにでも引き渡しが可能な状態ですから、あとは買主側の事情次第です。

住宅ローンを利用せずに代金の全額を現金払いするのでれば、売買契約の当日に引き渡しをすることも物理的には可能です(1~2週間程あけることが多いですが)。

住宅ローンを利用する場合、その審査期間次第です。早ければ、1~2週間程度で審査結果が出ることもありますが、1ヵ月以上の期間を要することもあります。よって、売買契約の締結から引き渡し日まで1~2ヵ月程度かかるつもりで考えておくとよいでしょう。

未完成の建売住宅を契約したケース

未完成の建売住宅を買う人にとっては、引き渡し日までの期間は、いつ建物が完成するかにかかっています。

まだ完成まで3カ月かかるのであれば、引き渡し日まで3~4カ月が目安ですし、2週間後に完成するのであれば、1~2ヵ月くらいが目安です。

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