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引渡し前の施主検査・完成検査の立会いと注意点

Last Updated on 2020-11-8

新築の注文建築を建てると取引の最終段階において、施主検査というものがあります。これから家を新築する人も、これからまさに施主検査を迎えようとしている人も、完成後や引渡し後、そして入居後に後悔することのないように施主検査のことを正しく理解して、必要な対応をとることで乗り切りましょう。

引渡し前の施主検査・完成検査の立会いと注意点

アネストでは、多くの新築住宅の施主検査(完成検査)に同行してきた経験があるため、この経験を活かして施主検査の基礎知識を紹介しますので、それからチェックリストを参考にして当日の現場対応をしてください。

施主と施主検査を正確に理解する

確実に理解しておくために、本当に基本的なことから説明しておきます。皆さんは、「施主」の正しい意味を理解していますか?間違になくわかっているという人はここを読み飛ばしてもよいですが、そうでない人はここから読み進めてください。

施主とは?

施主とは、建築工事においては建物の工事を発注する人、つまる発注者のことを言います。建築工事請負工事では、発注者や注文者と表示していることが多いです。建築請負工事の発注者であって、出来上がった建物を購入する買主とは異なります。

建売住宅は、売主が決めた企画・設計で建築された完成物を売買するので、その代金を支払って取得する人は施主ではなく買主です。

注文住宅は、注文者(施主)が決めたプランで工務店に建たてるように建築工事という業務を依頼するので、建売住宅とはこの点で大きな違いがあります。

但し、建売住宅でも施主がいないわけではありません。それは、買主からみたときの相手方(つまり売主)です。売主は下請けの工務店に建築工事を発注しているので、施主でもあるのです。

ちなみに、新築に限らず、リフォームでも発注者のことを施主と呼びます。

施主検査とは?

次に施主検査の説明ですが、これはわかりやすいですね。施主が行う検査だから施主検査です。この施主検査は、建築工事の途中で検査するものも、完成後にするものも含めてそう呼ばれています。

住宅の新築に限らず、リフォームでも同じように施主検査があります。

完成検査とは?

施主検査のところで、建築工事中にも完成後にも実施することを説明しましたが、そのうち完成後に行う者が完成検査です。これもわかりやすいですね。

但し、完成検査という言葉は注文住宅のときにのみ用いられるとは限りません。未完成の建売住宅を購入した人が、完成後に行う検査のことを完成検査ということもあるからです。建売か注文かに関係なく、完成後に行うものを完成検査と呼ぶと理解しておけば大丈夫です。

ちなみに、似た言葉で竣工検査というものがあります。竣工とは建物が出来上がることを言いますから、竣工検査と完成検査は同じ意味です。

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施主検査の基礎知識

施主検査・完成検査の基礎知識

次に施主検査のことをもう少し掘り下げて理解しておきましょう。あなたが実際に施主検査に立会いする前に知っておくべき基礎知識を紹介します。

施主検査でやるべきこと

施主検査では、建築工事の施工品質のチェック(施工ミスがないか確認)や契約通りのプランで建てられているか確認することが主な目的です。建築途中にも、その時点で確認できることをチェックし、完成時点ではその時点で確認できる範囲は全てチェックするつもりで立ち会ってください。

最初は、工務店から建物や設備のことなどで説明があることが多く、その説明を聞き終えたら自らチェックを進める番です。工務店に気を遣いすぎないように、時間をかけて丁寧に見ていくとよいでしょう。

施主検査は施主にも工務店にも大切な機会

施主検査は、施主にとって施工不良などを指摘して補修対応してもらうために非常に重要な機会ですから、慎重に準備して対応したいものですが、実は工務店(建築工事の受注者)にとっても良い品質の住宅を提供し、それを施主に理解してもらい、さらには後々のクレームを抑制するためにも重要な機会です。

しかし、これをそれほど重要にとらえていない工務店が多く、全国各地で適当な施主検査が横行し、せっかくの機会を施主も工務店も無駄にしていることが少なくありません。

施主検査の所要時間

はじめての施主検査ともなれば、どれくらいの時間がかかるのか想像するのは難しいでしょう。所要時間は、建物の規模(大きさ)やプラン、施工品質(施工ミスが多いか少ないか)によって違いがありますが、建物面積が30坪程度だとして、建築中で1~1.5時間、完成後で2時間くらいはかかると思っておいた方がよいです。

前後のスケジュールにはゆとりをもって臨むようにしてください。特に、何らかの大きな施工ミス等が見つかった場合、その場で工務店とある程度の協議をする流れとなることもありますから、検査後のスケジュールがタイトなときは対応が遅れをとることもあります。

ちなみに、専門家に施主検査立会いを依頼した場合には、調査機材を使用したり、施主へ状況説明したりすることもあって、建築途中で1.5~2時間、完成後で2~2.5時間ほどかかることが多いです。また、床下や屋根裏内部のオプション調査も依頼すれば、もっと時間がかかります。

施主検査の実施時期はいつか

施主検査には、完成時だけではなく建築途中で実施するものもありますが、建築途中はいつ、どのタイミングで実施するのでしょうか。完成後なら引渡し前だろうと、まだわかりやすいですが、建築途中はどのタイミングで実施するのかわかりづらいですね。

建築途中はいつやるか

実は、建築途中の施主検査は施主から申し出ないと工務店の方からその機会を設けてくれないことも多いです。そういうものがあると知らずに完成を迎える施主は多いでしょう。施主としては、建築工事請負契約を締結する段階で建築途中や完成後の施主検査があるのか、また、いつ頃に実施するのか工務店へ確認しておく必要があります。

工務店によっては(特に大手ハウスメーカーでは)、建築途中に確認会や説明会などの名称で現地確認の機会を案内していることがあります。検査という言葉を使わずに、「ただの確認」「説明を受けるだけ」という印象を持つ言葉ですが、本来は施主が施工品質や契約通りの施工か確認する良い機会ですから施主検査と同じだととらえて時間をかけて確認した方がよいでしょう。

ところで、建築途中の施主検査は、主に以下のタイミングで実施しておくことが理想です。

  • 基礎配筋工事
  • 構造躯体工事
  • 防水工事・断熱工事

これらはいずれも非常に重要なタイミングです。基礎や構造躯体は建物の基本構造ですから、何かミスがあれば大変です(もちろん施工ミスの内容による)。また、防水や断熱は施工ミスが起こる頻度が高いので注意したい工程です。

工務店から、これらすべての施主検査を提案されることはほとんどありませんから、施主から積極的に働きかけるとよいでしょう。

完成後は引渡し前にチェックするべき

完成後の施主検査の時期も説明しておきます。建物が完成してから引渡しを受けるまでの間に実施すべきです。

このとき、基本的には建物本体工事のみではなく、外構工事も完了してから行うべきですが、外構工事を建物本体の建築業者とは別の業者へ発注している場合は、外構工事の前に施主検査をすることになります。

注意すべきなのは、引渡しの直前よりも早めに実施すべきという点です。

引渡し日の前日や前々日に施主検査をする人もいますが、それでは引渡し前に補修工事が間に合わない可能性があります。できれば、施主検査と引渡しの間には少なくとも1週間以上の期間をあけることをおすすめします。

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施主検査のチェックリスト

引渡し前の施主検査(完成検査)のチェックリスト

施主検査のうち、最後の検査となるのは建物完成後に行う完成検査です。引渡し前に行う最後の機会ですから、丁寧に確認して問題箇所があれば指摘して補修を求めましょう。ここでは、完成時の施主検査、つまり完成検査で施主がチェックすべき項目をリスト形式で紹介します。

屋外部分

■基礎
ひび割れ
モルタルのはがれ・浮き
ジャンカ
基礎パッキン及び水切りの状況

■外壁
ひび割れ
仕上材の欠損・割れ
外壁材の継ぎ目のシーリング材の破断
設備器具の固定箇所
サッシ・スリーブ等の開口部周リのシーリング材の破断

■屋根
割れ・欠損・ずれ

■軒裏
ひび割れ・欠損・剥がれ
漏水跡
軒裏換気口の状況

■雨樋
破損・ひび割れ
掴み金物のぐらつき
つまり

■バルコニー
床の沈み・欠損
床の勾配
排水溝の勾配
排水口のつまり
防水の立上り
手すりのぐらつき
支持部の欠損・割れ
立ち上がり壁の欠損・割れ
物干し金物の取り付け・動作

■玄関ポーチ
床の仕上げ
壁・天井の仕上げ
照明の点灯
インターホンの動作

■その他
境界標の有無
屋外シンクの使用テスト

床下

■基礎
ひび割れ(立上りおよび底盤)
ジャンカ

■土台・床組み
著しいひび割れ
土台と床組みの接合部の浮き
シミ
束の浮き
金物の設置状況
カビ

■その他
断熱材の有無・設置状況
給排水管の固定状況・漏水
漏水跡
異常な湿気
防腐・防蟻処理の有無
著しい地盤の陥没
地面・土間のひび割れ
工事残存物・ゴミの有無

屋根裏

木部の著しいひび割れ・欠損・剥がれ
金物の設置位状況
配線の整理・固定・被覆状況
断熱材の有無・設置状況
漏水跡・シミ
異常な湿気
カビ

室内

■床
床鳴り
床の沈み・凹みや浮き
著しい隙間
傾き

■壁
仕上材の割れ・はがれ・めくれ
著しい隙間
下地不良
傾き
漏水跡
巾木と壁や床仕上げ材との隙間

■天井
仕上材の割れ・はがれ・めくれ
著しい隙間
漏水跡

■建具・扉・サッシ
がたつき及び開閉時の音
扉の重さ
扉と枠の隙間
鍵の施錠
丁番の緩み等の取り付け
戸当りの位置
枠とクロスの隙間
ドアクローザーの動作
ガラスの割れ
ビスの締め付け

■棚・収納
扉のがたつき
戸当り
棚板のがたつき
ハンガーパイプの固定状況

■設備
キッチン・トイレ・洗面台等の排水テスト(配管からの漏水・排水音の異常)
換気設備の動作状況
タオル掛けの設置状況
手すり(階段・浴室・トイレ等)の設置状況
その他の設置物の固定状況・動作状況

以上が完成検査で施主が確認しておくべきチェックリストです。傾きの確認や床下・屋根裏内部の確認は専門性がより高いため、自力でチェックするのは難しいところです。また、工務店が言う「そういうものですよ」という説明・言い訳が本当のことかわからないという声も多いので、専門家に施主検査への立会いを依頼するのも効果的な方法です。

専門家へ依頼するなら、内覧会立会い・同行(竣工検査・完成検査)

施主検査の疑問を解決!

ここまでに施主検査について抑えておくべき基礎的な知識を解説してきましたが、最後によくある疑問についても解説しておきます。

施主検査がなし?

住宅の新築やリフォームをした人から、施主検査をしないまま引渡しを受けて住んでいると聞くことがあります。施主検査なしで引渡しを受けたというわけですが、これは心配ですね。

施主検査は施主にとって大変重要な機会で、本来ならば引渡し前に施工不具合の有無をチェックして、建築業者へ補修してもらわなければなりませんが、この機会がなかったら施主にとって不利な状況です。

実際に、建築業者から引渡し前に建物が出来上がった状態の検査をするよう提案してこないケースがありうるため、完成が近づいた時点で施主の方から積極的に施主検査の時期について質問してください。

万一、施主検査なしで引渡しを終えてしまった場合は、できるだけ早いタイミングで施工不具合の有無をチェックすべきです。このような場合、第三者の専門家に依頼することも検討しましょう。

引渡し後のサービスは、「住宅の点検・建物調査(居住中の一戸建て)」で対応しています。

施主検査に必要な持ち物は?

施主にとっては慣れない機会ですから、施主検査に必要な持ち物が何か見当つかないおいうこともあるでしょう。建築業者から案内される物だけでは不十分なこともあるため注意したいところです。

具体的には以下の持ち物を用意してください。

  • 筆記用具(ペン・メモ用紙など)(指摘箇所の記録のため)
  • 間取り図(指摘箇所は間取り図に記録するとわかりやすい)
  • デジカメまたはスマホ(大事な指摘箇所を撮影するため)
  • メジャー(採寸のため)
  • 懐中電灯(床下や屋根裏のチェックのため)
  • スリッパ(冬場は寒い)

これらの道具類は、建築業者が用意してくれている場合も少なくありません。特にスリッパや間取り図は用意している業者が多いです。事前に用意されている者について確認しておくとよいでしょう。

マスキングテープのように、現場で指摘箇所をマーキングするものを建築業者が用意しているはずですが、これを用意していないこともありうるので、念のために用意しておくことも考えましょう。

施主検査はやり直しできる?

施主検査を一度終えた後に、もう一度やってほしい、やり直したいとの声を聞くことがあります。

最初の検査で指摘した事項について、補修後の確認をしたいということであれば、本来なら当然にやるべきことですから、遠慮せずに建築業者へ「手直し工事後の再確認の日を調整したい」と申し出てください。

最初の検査できちんとチェックできたか不安なので、やり直したいということであれば、建築業者へお願いしてみましょう。このやり直しは、基本的にはお願いベースですが、了解してもらえる可能性は十分あります。

しかし、「引渡し後にご自身だけで診てください」と言われることもあります。ここは交渉のしどころですね。

よくあるクレームは?

施主検査をしたときによくあるクレームについて紹介します。

  • 工事が最後まで完了しておらず、とても施主検査をできる状態にない
  • 工事が雑で納得して引渡しを受けられない
  • 発注した図面・仕様と相違する点がある

これらは、本当によくあるクレームであり、かつ皆さんにとって大変重要なことばかりです。こういったことをできる限りなくすためにも、工事に着手する前や工事途中の打合せで互いによく確認しながら進めたいものです。

工事が完了していない場合、引渡しや引越し時期までずれ込む可能性が高いですから、早めに進捗について確認すべきです。着工してから、ただ完成を待つのではなく、途中で工事の進捗が順調なのか、遅れがないのか確認することも忘れないでください。

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