全国の多くの住宅について住宅診断(ホームインスペクション)を実施してきた実績のあるアネストでも診断項目としているポイントを参考にするコーナーです。
ここでは、一戸建て住宅の建物内部(和室・設備など)のチェックリストを示しています。和室は特有の部位もありますが確認が必要です。また、配管などの設備もぜひ購入時にチェックしておきましょう。
和室のチェックリスト
和室は洋室とは違ったチェックポイントが多いです。よく見るとカビが生えているということもありますし、畳の下地材が割れているという事例もあります。襖周りなども細かくチェックしましょう。
○畳
畳の設置状況
表面のカビ
下地のカビ
下地材の著しいひび割れ、劣化
下地材のF☆☆☆☆(Fフォースター)マークの有無
○壁
仕上材の割れ
仕上材のはがれ、めくれ
著しい隙間やキズ
下地不良
傾き
長押・付鴨居
漏水の跡
○天井
仕上材の割れ
仕上材のはがれ、めくれ
著しい隙間やキズ
廻り縁
漏水跡
○障子
がたつき
障子と建具枠の隙間
障子の破れ
○サッシ
サッシの動作(がたつき・開閉時の音・重さ)
網戸の動作(がたつき・開閉時の音・重さ)
鍵の施錠
ビスの締め付け
○襖まわり
襖の動作(がたつき)
敷居
鴨居
○押入れ
扉のがたつき
中板の設置状況
天袋の扉のがたつき
腐食・劣化・カビ
○その他
エアコンスリーブ・給気口の取り付け
スイッチ・コンセント・リモコンの取り付け
設備のチェックリスト
住宅の設備は劣化が進むものですが、新築時点で施工不良となっていること現場もよく見られます。床下など見づらいところでは、特に注意して確認したいポイントです。
○給排水設備
給水・給湯管の結露防止措置の有無
配管の金具等による固定状況
通気管の設置状況
排水管の勾配
○電気設備
回路数
分電盤の設置状況・劣化
シックハウス対策用の24時間換気の有無(※3 補足説明)
○その他
ガスメーター位置の確認(見やすいか)
床暖房の動作
浄化槽の著しい劣化、破損
浄化槽の位置(点検し易さ)
住宅購入時のチェックは新築も中古も大事
以上のように、新築も中古住宅も購入時にチェックしておくべきポイントは大変多いです。
新築住宅では売主や施工会社の自社検査があり、売主側が依頼する検査機関も入っていますが、それでも施工ミスは無くなっておらず購入後に金銭的、労力的な手間が買主側に生じています。
また、中古住宅では新築時の施工不良のほかに劣化の進行によって建物の状態が悪くなっていることがあり、その補修等にコスト負担が生じたり、建物の寿命が短くなったりしています。
住宅を購入するということは、リスクを負う側面もあることですので、決して売主や施工会社、仲介業者任せにせず、買主の自己責任だということをしっかり認識して建物のチェックを行ってください。専門的な知識や経験が問われることですので、第三者の専門家による検査を買主が自ら入れることも積極的に考えるとよいでしょう。
チェックリストの一覧
- 住宅診断のチェックリスト(新築・中古)建物外部編
- 住宅診断のチェックリスト(新築・中古)床下・屋根裏編
- 住宅診断のチェックリスト(新築・中古)玄関・居室等編
- 住宅診断のチェックリスト(新築・中古)台所・洗面等編
- 住宅診断のチェックリスト(新築・中古)和室・設備編
ご自身で建物をチェックすることが困難な場合は、専門家に依頼することもお考えください。物件種別に応じて以下のサービスがあります。
執筆者
- 2003年より、第三者の立場で一級建築士によるホームインスペクション(住宅診断)、内覧会立会い・同行サービスを行っており、住宅・建築・不動産業界で培った実績・経験を活かして、主に住宅購入者や所有者に役立つノウハウ記事を執筆。
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ホームインスペクションのアネスト
住宅の購入・新築・リフォーム時などに、建物の施工ミスや著しい劣化などの不具合の有無を調査する。実績・経験・ノウハウが蓄積された一級建築士の建物調査。プロを味方にできる。