建売住宅で後悔した理由と失敗の対策

建売住宅を購入した人から、ホームインスペクション(住宅診断)の依頼を受けることが多いですが、その診断を実施するときに、建売を購入したことを後悔していると伺うことがあります。後悔する理由は人によっていろいろありますが、多くの人の話を聞くとある程度の傾向があることがわかります。

これから新築の建売住宅を買う人が買ってから失敗だった後悔することを防ぐためには、先に購入した人たちの後悔した理由を知ることが大変役立つことですので、それを紹介します。先人の体験や感想を皆さんの住宅購入に上手く活用してください。

その上で、注文建築の家を建てた人でも建売の方がよかったと感じることがあること、また後悔しないために有効な対策も紹介します。

建売住宅を購入して後悔した9つの理由

建売住宅の購入で後悔した理由

建売住宅を購入した人たちから聞いてきた後悔する理由を9つ紹介します。少し多いと感じるかもしれませんが、人によってさまざまな理由でそう感じることはあるものです。

デザイン性にオリジナリティがない

建売住宅は、価格を抑えて分譲するために売主がいろいろな工夫をするものですが、そのためにどうしても建物のデザインが似たものになりがちで、個々の建物についてのオリジナリティを感じづらいです。建築費用は単純な建物形状(例えば長方形)の方が安く抑えやすいし、設計料も安く抑えるために細部にこだわったデザインも設計者に求めていません。

また、オリジナリティの高すぎるデザインは、万人受けしないので売れにくいだろうという売主の考えもあります。

こういった事情、考え方から、オリジナリティは期待しづらいのです。住み始めてからいろいろな情報を取得していくなかで、もっとデザイン性の高いマイホームに住みたいと後悔することがあるようです。

一級建築士

価格を少しでも安く抑えることは買主のメリットにもなりますが、その分、デザイン性やオリジナリティの点が犠牲になちがちということですね。

プラン変更をできると聞いて契約したが、軽微な変更しかできなかった

売買契約を締結する前に、営業マンから「ある程度はプラン変更することもできますよ」と説明を受けていたのに、いざ打合せを開始すると、「それはできない」と言われることが多くて、どこまで変更できるかきちんと確認せず契約したことを後悔する人は多いです。

建売住宅では、軽微な変更しかできないことが多いため、よく契約前に確認しておきましょう。注文建築とは異なるものなので、自由度に過度な期待を抱くべきではないとも言えます。

完成すると部屋や収納が想像より狭かった

建築する前や建築途中で契約することもありますが、そういったケースでは、完成後に室内を見たときに各部屋や収納が想像していたより狭く感じるという人がいます。間取り図にある畳数の表示や平米数の表示から実態をイメージしづらいという人は多いですね。

オプションや別途工事が多くて高くついた

建売住宅と言っても、個々の物件によってその仕様は様々で、付属する設備にも違いがあるものです。タオル掛けやシャッター、網戸、食洗器、手すりなど様々なオプションの費用が必要となって悔やんでいる人もいます。物件によっては、オプション料金がかからないこともあるので、物件の比較検討時には注意したいです。

断熱性能が低い(冬に寒すぎる)

建売を購入して引越ししてみると冬に寒すぎると感じる人がいます。つまり、断熱性能が低いということです。実際には物件によって断熱性能には違いがあるので、購入する物件次第です。

ただし、それ以前にコンクリート造のマンションに居住していた人が、建売との断熱性能の違いに敏感な人が多いです。マンションにもよるのですが、建売より断熱性が高いコンクリート造のマンションがあるため、違いを感じやすいようです。

一級建築士

コンセントボックスなどからの隙間風が酷いという声を聞くこともありますが、それは使い方に問題があるときもあれば、施工不具合が要因ということもあるので、建売だからという問題ではないことが多いです。

施工不具合がいくつも見つかった

意外と多い施工不具合

引渡し前の竣工検査(内覧会)の立会い時や入居後に、建物の施工不具合をいくつも見つかり、建売住宅を買わなければよかったと後悔する人もいます。第三者として検査に入ることが多いですが、確かに酷い施工品質の建売住宅は少なくありません。

ただし、施工不具合のリスクは、建売だけの問題ではなく、注文建築でもあることですので、建売特有のリスクだと誤解しないでください。

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未完成物件を購入したら完成・入居が大幅に遅延した

着工する前や建築途中の物件を契約するケースも多いですが、そういった未完成物件を購入するときのリスクの1つが、完成時期の遅延です。未完成の建売住宅の契約なら、本当によくあるトラブルですが、これによって賃貸している住居の退去時期の問題も出てくるなどして、対応が大変だという意見は少なくありません。

引渡し後に売主の態度が悪くなった

気に入った建売住宅を見つけて、営業マンと商談を進めていたけど、契約後や引渡し後になってから営業マンの対応が急に悪くなったという話もあります。「契約するまではあんなに丁寧でよい人だったのに」と後悔した人の話は何度も聞いたことがあります。よい担当者に巡り合えればよいですね。

大規模分譲の建売を購入したら、いつまでも工事の騒音が煩い

大規模分譲の建売住宅

建売住宅の分譲地は、1棟や2棟だけという小規模なものもあれば、数十棟もあるような大規模なものもあります。後者の分譲地において、分譲開始した初期の頃に購入すると、開発・分譲を終えるまで何年もの間、ずっと近隣で建築工事(場合によっては土地の造成工事も)が続くことになり、騒音や誇り、工事車両の出入りによるリスク、ストレスにさらされていて、後悔することがあります。

将来的には閑静な住宅地になると思って購入しても、それまで何年も我慢するのも大変ですね。開発がもう終わりの時期ならそのリスクも低いわけですから、理解しておきましょう。

注文住宅を建てた人が建売にすればよかったと後悔することもある

注文建築より建売がよいと人もいる

買ってから後悔する理由を見てきましたが、建売住宅を購入することをあまり否定的にとらえる必要はありません。住宅の購入や建築においては、投資金額が大きいうえに建築や不動産の専門的な知識が必要で、かつ始めて体験することが多いため、どうしても「失敗した」とか「後悔している」という部分があるものです。

「ローコスト住宅の注文建築にすればよかった」という声を聞くこともありますが、土地を持っていないと土地探しが難航することが多く、高めの土地を購入してローコスト住宅の注文建築で建てても結局は総額が高くなることもあります。ローコストの注文住宅に住んでいる人から、「こんなことなら建売住宅を購入すればよかった」と後悔している声を聞くこともあります。

一級建築士

つまり、建売だからダメだと考える必要はないということです。注文建築にも建て売りにもメリット・デメリットがあるので、自分にあった家探しをすることです。

建売住宅購入で失敗しないための対策

最後に、建売住宅購入で失敗して後悔することのないように、対策を紹介します。どういった物件を購入するかによって、対策も違ってきますし、何を気にするか人によって違いもありますので、ここで挙げる全ての対策が必要というわけではありません。それぞれで必要な対応をとりましょう。

契約前にプラン変更できる内容を質疑応答

売買契約前に質問と検討

後悔する理由の1つが思ったほどにプラン変更できないことでしたが、そういう失敗をしないためにも、売買契約を締結する前にどういった変更ができるか、詳細を確認してください。

買主の要望次第ですので、聞くべきことはそれぞれで異なりますが、たとえば、以下のようにできるだけ具体的に質問して回答を得ることをお勧めします。

具体的な質問の例

  • 和室を洋室に変更できるか?
  • 洗面室に床下収納庫を追加できるか?
  • 食洗器のグレードを上げられるか?
  • 浴室の壁パネルのカラーを変更できるか?

どこまでを変更できる対象となるか、イメージする人によって差異がありますので、その差異を詰める努力が良い対策になるでしょう。まずは、何をどう変更したのか、検討しましょう。

部屋の広さは現在の住まいと比較する

リビングや寝室、収納などいろいろなスペースについて、広さのギャップが問題となることは少なくありません。これを可能な限り解消するため、今、あなた自身が住んでいる住まいの居室などと広さを比較することをお勧めします。

たとえば、購入対象の建売住宅のリビングの広さを平米数や畳数だけで確認せず、部屋の端から端までの寸法を図面などで確認し、今の住まいのリビングの寸法を実測したものと比べてみましょう。寝室や収納なども同じです。できる限り、寸法の近いスペースを見つけて比べるのもよいでしょう。

価格に含まれるものを要確認

オプション料金、別途工事費などの請求で後悔することがないように、売買契約を締結する前に売買価格の対象となるものをよく確認してください。特に未完成物件を買うなら実物を見て判断することができないため、どういった設備が価格の対象であるかわかりづらいこともあります。

受領したパンフレット等の資料には、小さな文字で「オプション扱いです」「別途追加工事費用がかかります」などと記載しているものもあるので、細かなところまでチェックしておく必要があります。

モデルハウスがある場合でも、モデルハウスにあるものがオプション扱いということは、住宅業界ではよくあることです。もちろん、営業マンからきちんと説明すべきことですが、それがなされず、後から売主と買主がトラブルになっているケースもあるので、買主から積極的に確認すべきです。

一級建築士

モデルハウスと出来上がったものが違ったという話は本当に多いです。よく見るとモデルハウスや図面で確認できることもあるので、細かくチェックしておく必要があります。

施工不具合はホームインスペクションでチェック

施工不具合の多い建売住宅を購入して後悔するということがないように、売買契約の前に第三者の専門家(ホームインスペクター)が行うホームインスペクション(住宅診断)を依頼することを考えてください。目視できる範囲において、施工不具合の有無を買主に代わってチェックしてくれるので役立ちます。

売買契約前に依頼できなかった場合、引渡し前の依頼を考えてください。引渡し後でもいつでも診断をできるものの早めのタイミングをお勧めします。

未完成物件を買うならスケジュールにゆとりを持つ

未完成の建売を買うなら、工事遅延・引渡し時期の延期といった問題が発生しうるため、今の住まいの退去時期(新居への引越し時期)については、完成予定日のすぐ後に設定せず、十分なゆとりを見て設定してください。工事が1カ月以上も遅延したという現場も多いです。

住宅設備機器などの納品日が大幅にずれるなどして、建築工事が途中で止まってしまうケースもあるくらいですから、工事進捗も確認しながらスケジュールを組んでください。

複数回の現地見学

前述していませんが、建売物件を買って後悔する理由として現地周辺のことをよく把握できていなかったとい意見もあります。近隣の騒音、臭い、交通量などは、時間帯や曜日によって異なることは多いですから、あまり土地勘が無いところで購入するなら、何度か足を運ぶ必要があります。

仕事を休めなくて、週末しか現地見学に行けないということもありますが、有給休暇を取得するか、家族に見に行ってもらうといった対応も検討してください。

新築住宅を取得する人にとって、特に都市部においては、建売住宅は当たり前の選択肢です。地域によっては多くの物件が出て比較できることもありますが、タイミングや地域によっては選択肢が多くないこともあります。しかし、どういった状況であっても購入後に後悔するのは避けたいですね。よくある後悔の理由と失敗を防ぐ対策を参考によい家探しができるといいですね。

新築一戸建て住宅診断(建売のホームインスペクション)

執筆者

アネスト
アネスト編集担当
2003年より、第三者の立場で一級建築士によるホームインスペクション(住宅診断)、内覧会立会い・同行サービスを行っており、住宅・建築・不動産業界で培った実績・経験を活かして、主に住宅購入者や所有者に役立つノウハウ記事を執筆。