既存住宅のホームインスペクション(住宅診断)が一般化

2000年代になって徐々に社会に浸透してきたホームインスペクション(住宅診断)について、特に中古住宅(既存住宅)に関して一般化してきたことをかんたんに解説していきます。

ホームインスペクションは中古でも新築でも普及している

今の時代、住宅の購入時にホームインスペクション(住宅診断)を利用する方は一般化しており、新築建売住宅の購入前や建築中に契約した新築住宅の完成後・引渡し前のときに買主がインスペクションを取り入れるようになりました。住宅購入が一生に何度もない大きなイベントであり、数千万円もの金額を投じて行うリスクを伴う行為であるだけに、自然な時代の流れだと言えます。

ホームインスペクション(住宅診断)を利用するということは、何も新築住宅に限ったことではありません。中古住宅の購入時にも多く利用されております。ちなみに、中古住宅は既存住宅とも言い換えられますが、既存住宅のインスペクションの普及は今後も加速していくでしょう。

ホームインスペクションは国交省も注目

国交省は2013年6月に「既存住宅インスペクション・ガイドライン」をとりまとめました。

国交省のHPには、「消費者が中古住宅の取引時点の物件の状態・品質を把握できるようにするため、第三者が客観的に住宅の検査・調査を行うインスペクションにつき、検査・調査を行う者の技術的能力の確保や検査・調査の項目・方法等のあり方について検討を行い、今般「既存住宅インスペクション・ガイドライン」をとりまとめました。」とあります。

既存住宅のホームインスペクション(住宅診断)は、国も注目し適切な普及を後押ししている状況です。

さらには、2018年4月に改正・施行された宅建業法により、売買時にはホームインスペクション(住宅診断)について、不動産業者が買主や売主に対して説明することやホームインスペクション業者(住宅検査事業者)を紹介・斡旋できるか告知することが義務化されました。

ホームインスペクションの義務化(告知と紹介・斡旋)も参考にご覧ください。

中古住宅を購入される方の多くは、「建物はまだ長く居住できるだろうか」「買ってすぐに大きな欠陥(瑕疵)が見つかって多額の補修費用がかからないだろうか」などと建物に対する不安を持っています。

そして、長く既存住宅(中古住宅)のホームインスペクションをしてきた経験から、住宅によって建物の状態が大きく異なることをアネストはよく知っているので、購入時のインスペクションの重要性や有効性をよくわかっています。購入する住宅によって、失敗もありうることをわかっているのです。

これから中古住宅を購入される方は、できれば契約される前に、既に契約した方や入居された方はなるべく早いタイミングでホームインスペクション(住宅診断)の利用を検討されることをお奨め致します。

ホームインスペクション業者は自分で探すべき

新築でも中古でも言えることですが、実際にホームインスペクション(住宅診断)を利用する方が注意しなければならないのは、買主の立場にたったインスペクションを利用するということです。このサービスが普及するに従い、不動産業者などが販売促進のためにインスペクションを取り入れることが増えてきました。

買う人のためのインスペクションが売るためのインスペクションになってしまっていることも増えているということです。売るためのインスペクションは、買主に適切に伝えるべき情報を伝えなかったり、施工不具合や問題ある劣化事象などの説明の仕方で表現を抑えてあまり問題ないかのように印象付けたりすることがあります。これでは、何のためのホームインスペクション(住宅診断)であるかわかりません。

ホームインスペクション(住宅診断)を利用する時は、不動産業者の関連会社や紹介などではなく、ご自身で提供事業者を探すべきでしょう。アネストのホームインスペクション(住宅診断)は買う人の立場で行うサービスです。建物の保証も希望するなら、中古住宅建物保証(既存住宅かし保険付き)も検討するとよいでしょう。

実際に業者探しをする際は、ホームインスペクション業者の選び方を参考にしてください。

中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)
中古住宅のホームインスペクション

執筆者

アネスト
アネスト編集担当
2003年より、第三者の立場で一級建築士によるホームインスペクション(住宅診断)、内覧会立会い・同行サービスを行っており、住宅・建築・不動産業界で培った実績・経験を活かして、主に住宅購入者や所有者に役立つノウハウ記事を執筆。