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中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかる基礎の不具合


毎日、多くの住宅のホームインスペクション(住宅診断)のご依頼があり、全国で診断を行っていますが、今回は実際の診断現場で見つかった不具合の事例を紹介します。

一級建築士のホームインスペクション(住宅診断)でどのような指摘が上がっているのか知ることで、ホームインスペクションの必要性の判断や何を調べるために有効なのか理解することができるでしょう。

今回の紹介するのは、中古一戸建て住宅の基礎に関する不具合などの指摘事例です。基礎が建物にとってとても大事な部位であることは言うまでもありませんが、基礎の上にのっている土台、柱、床、壁、屋根などを支える部分ですから、この基礎に大きな問題があれば、建物の耐震性や耐久性の点でリスクを持つことになります。

それでは、指摘事例を写真とともに紹介していきます。

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建物外部の基礎の指摘事例

建物外部における基礎の調査は、外周部から目視やクラックスケールによる計測、打診棒による調査で行います。建物の周囲をぐるっと周っていきながら調査するのですが、都市部で見られるような隣の建物との間隔が非常に狭い住宅においては基礎の全てを確認できないこともあります。

個々の建物の条件によって、確認できる範囲が異なることは理解しておきましょう。

基礎立上りの注意すべき構造クラック(ひび割れ)

基礎のクラック(ひび割れとも言う)は、サイズが大きいと目視で判断した場合、クラックスケールで計測します。以下の写真が計測している様子です。

外部基礎のひび割れ

このクラックは、巾0.75mmのものでした。クラックの判断基準の1つは0.5mmとされていますが、この基準だけで良否を判断すると実際のリスクの程度と相違することがあるので注意が必要です。他に関連する症状がない場合は、今後の進行状況を経過観察すればよいという注意喚起までと判断することも多いです。

基礎立上りの早期に対処すべき構造クラック(ひび割れ)

次に、同じ外部のクラック(ひび割れ)でも構造的に問題があるケースを紹介します。

外部基礎の構造クラック

上の写真は換気口のコーナー部にあるクラックの様子です。この位置は、クラックが生じやすい箇所でもあり、多くの中古住宅の診断でこのような症状が確認されています。これを単純に「よくあることだから大丈夫」と不動産会社が説明してしまうことがあるのですが、実際には個々によって判断が異なるので安易に考えるべきではありません。

写真を見ても明らかに大きなクラックではあるのですが、同じような症状が何箇所も見つかりました。これらの箇所を床下に潜ってみると、床下側の同じ位置にもクラックが生じていました(下の写真)。

床下の基礎の構造クラック

基礎の外部と床下側の同じ位置にクラックがある場合は、心配すべき1つのシグナルだと思ってください。

このクラックは、幅が2mmを超え、深さも25mmと深いものでした。構造クラックですから早めの補修対応が必要です。

その他の基礎立上りのクラック(ひび割れ)

換気口周り

換気口周りの巾0.8mmと注意を要するクラックでした。

換気口周りのクラック

巾2mmを超える大きなクラックでした。雨水が浸入して劣化を早めていくため、早期に補修すべきものでした。

巾1.5mmで深さ25mmのクラックでした。コンクリートの割れが疑われる構造クラックです。クラック箇所から雨水が浸水すると、内部の鉄筋が腐食したり錆びたりして、ひどいときには爆裂を起こします。

その他の基礎周りの症状

基礎の指摘で最も多いのは前述したようなひび割れですが、他にもいろいろな症状が見つかりますので、いくつか紹介します。

蟻道

上の写真は蟻道です。蟻道とは、シロアリの通る道のことで、シロアリが床下へ侵入したと考えられます。蟻道は床下で確認されることが多いですが、稀に外部でも確認されることがあります。これが見つかったときは、蟻害の可能性を考えなければなりません。

配管周りの隙間

基礎を貫通する配管が見られる住宅がありますが、その配管周りに隙間があり、床下への雨水の浸水リスクがある状況です。この写真は明らかな隙間ですが、現場ではもっと軽微な隙間が見つかることが多く、その軽微なものからでも浸水することがあります。

床下への浸水は、床下環境の悪化によるカビ・腐食といった被害を誘発することがあり、浸水に気づくのが遅いと住宅の受けるダメージが大きいこともあります。

床下換気

基礎表面に施工されているモルタルの最上部の仕上げが雑で、床下換気のための隙間が埋っている状況です。こういった箇所が広範囲に及ぶと床下環境の悪化につながります。

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床下側の基礎の指摘事例

基礎を確認するために床下の調査は重要です。点検口から床下へ進入することが可能な住宅であれば、ぜひ見ておきたいとことです。それでは、床下へ潜って発見された基礎の指摘事例を紹介します。

基礎立上りの構造クラック(ひび割れ)

外部のところでも説明しましたが、基礎のクラックは外部と床下側の同じ位置に見つかると心配すべき症状だと言えます。以下もその事例です。

床下の基礎の構造クラック

これは巾2mmのクラックで、建物外部にも確認されています。サイズも大きく構造的に問題ある症状ですから、早めに補修・補強を検討すべきです。

構造クラック

こちらも構造クラックです。こういったものが床下で何箇所も確認されることがあります。

間仕切り壁の下の構造クラック(ひび割れ)

ここまでに見てきたクラックは建物の外周部(外部に接する面)のものでしたが、床下では外周部以外のクラックも確認されます。

床下基礎

外周部の大きなクラックは外部から確認できることが多いですが、外周部以外の基礎は床下から調査しないとわかりません。この写真のものは、巾0.7mmある構造クラックでした。

その他の基礎周りの症状

床下の基礎で見つかったひび割れ以外の症状についても見ていきましょう。

基礎の穴

建物の外部から水抜き穴を逆流して水分が床下へ流入した跡です。水抜き穴とは、新築工事中に基礎の内側に降った雨水を外部へ排出するために設けたものですが、必要なくなった時点で埋めてしまうことが望ましいです。

そうせず放置しているとこの住宅のように、雨水などが逆流してきて床下へ浸入してしまうことがあります。床下環境の悪化になってしまいますね。実は、このように水抜き穴の処理ができていない物件は意外と多いです。

基礎の破壊と鉄筋

この写真は、基礎が部分的な破壊されてしまい欠損になっているうえに、鉄筋が露出してしまっている状況です。増築する際に破壊されたのではないかと予想される状況でしたが、欠損については補強しておきたいですし、鉄筋の露出は錆びてしまうリスクがあるので補修しておきたいところです。

基礎の破壊は増改築のときにされてしまうことがあるのですが、新築工事の際にされてしまう事例もあります。人通口を設けるはずだった箇所に基礎を施工してしまい、後から破壊したケースもありました。ひどいときには、こういった破壊工事のときに内部の鉄筋を切断してしまうことがあります。

配管貫通と基礎

基礎の破壊の理由の1つに配管工事があります。リフォームで水回りの位置を変えたときに、配管のために基礎を破壊する行為です。なかには、所有者が気付かないうちにリフォーム業者が勝手に破壊してい舞った入る事例もあります。

じゃんか

基礎の代表的な症状の1つにジャンカがあり、骨材にセメントペーストが行きわたらずに生じているものです。多少のことなら、それほど影響がないのですが、重度のものや広範囲に生じているものは注意が必要です。

土台ずれ

基礎の天端でコンクリートの欠損があり、さらにその上の土台が基礎の上にのっていない箇所がありました。欠損も問題ですが、土台が基礎にのっていないとなれば、上の建物をきちんと支えられていないわけであり、大きな問題です。

これは中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかった症状ですが、原因は新築時の施工ミスです。中古住宅とは言え、新築工事の問題が見つかるケースはよくあることで、元の所有者(売主)も気づかずに売却していることがあります。

水染み

床下側から基礎を確認したとき、上の写真のように水染みが見つかることがあります。その症状やその他の条件にもよりますが、雨水が壁内へ浸入して床下まで流れ落ちていることがあるのです。雨漏りの可能性があることですから、原因調査をして対処を検討した方がよいです。

アンカーボルトの露出

基礎とその上の土台を緊結するアンカーボルトが露出している写真です。本来なら、アンカーボルトは確認できないのですが、アンカーボルトの設置位置が悪くて基礎コンクリートの端に寄っていたため、コンクリートに欠損が生じて露出していると思われる状況でした。

基礎の不具合といえば、やはりクラック(ひび割れ)が多いことがよくわかると思いますが、これ以外にも様々な症状があることもわかります。

建物の構造体力上、主要な部位ですから、住宅の購入時などには基礎はよく確認しておきたいものです。

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