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耐震基準適合証明書のメリットと取得の仕方と注意点


中古住宅を購入する人のうち、一定の条件に該当する人や物件である場合に必要となるのが、耐震基準適合証明書です。誰もが必要とするわけではないですが、必要な人も多いので購入する前に理解しておきましょう。

耐震基準適合証明書のメリットと取得の仕方と注意点

今回のコラムで紹介するのは、以下の項目です。

  • 耐震基準適合証明書のメリット
  • 耐震基準適合証明書に関する注意点
  • 対象となる建物
  • 住宅ローン控除を受ける方法は耐震基準適合証明書だけではない
  • 耐震基準適合証明書の依頼から発行までの流れ

これらの知識を中古住宅の購入前に抑えておけば、スムーズに進めることができるでしょう。それでは、具体的に解説していきます。

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耐震基準適合証明書のメリット

中古住宅を購入する人のうち、多くの人が耐震基準適合証明書の発行を希望しますが、これを取得するメリットについて理解しておきましょう。このメリットを並べると以下のとおりです。

  • 住宅借入金等特別控除
  • 登録免許税の軽減
  • 住宅取得資金の贈与に対する贈与税の非課税
  • 不動産取得税の軽減
  • 地震保険の保険料の割引

これらのメリットについて、各項目を少し掘り下げて解説します。

住宅借入金等特別控

住宅借入金等特別控除とは、一般的に住宅ローン控除や住宅ローン減税と呼ばれているものです。この言葉なら聞かれたことがある人も多いでしょう。

住宅の購入に際して住宅ローンを借り入れする場合に、所得税等が減税されるので、多くの人にとってメリットが大きいですから、該当条件を満たすならぜひ手続きしておきたいところです。但し、住宅ローンを利用せず現金で購入する人にとっては関係ないことです。

登録免許税の軽減

住宅を購入すれば、売主から買主へ所有権を移転するので、所有権移転登記を行います。また、住宅ローンを利用して購入するならば、債権者である金融機関が抵当権を設定登記します。これらの登記には、登録免許税という税金が課されます。

この耐震基準適合証明書があることで、この登録免許税が軽減されるというメリットがあります。前述の住宅ローン控除ほどの大きなメリットにはならないことが多いですが、それでもメリットにはなります。

住宅取得資金の贈与に対する贈与税の非課税

住宅購入に際して両親等から購入資金の一部について資金援助を受ける人も少なくありませんが、通常なら贈与した金銭は贈与税の対象となります。しかし、条件次第では適合証明書があれば非課税となるのです。該当者にとっては大きなメリットです。

不動産取得税の軽減

住宅を購入した場合、取得した不動産に対して不動産取得税が課されることも多いです(物件の条件によっては課されても少額な場合もある)。適合証明書があれば、この不動産取得税も軽減の対象となります。ただし、昭和57年以降1月1日以降に建築された住宅においては、適合証明書が不要とされています。

地震保険の保険料の割引

昭和56年6月1日以降に新築された住宅である場合、建築年割引により地震保険の保険料が10%の割引になることがあります(耐震等級等による割引率のアップがある場合もある)。

しかし、これより古い住宅であったとしても耐震診断により昭和56年6月1日に施行された建築基準法の耐震基準を満たす住宅であるなら、耐震診断割引(10%)を受けられることがあります。これを証明する書類の1つが耐震基準適合証明書です。

但し、この年代の建物である場合、適合証明書を取得できる可能性は非常に低いため、現実的には地震保険の割引に役立つケースは少ないでしょう。

耐震基準適合証明書に関する注意点

耐震基準適合証明書に関する注意点

次に、耐震基準適合証明書に関して住宅購入者が知っておくべき注意点を解説します。これを知らずに、取引を進めても前述したメリットを受けられなかったり、進めた手間やかかった費用を無駄にしてしまったりするので注意してください。

新築住宅なら耐震基準適合証明書は不要

そもそもどのような建物でも耐震基準適合証明書が必要なわけではありません。新築住宅ならば、この証明書がなくても住宅ローン控除などのメリットを受けられます。中古住宅であっても、築年数や構造の条件によっては必要ない物件も非常に多いです。

必要ないのに手間とコストをかけても仕方ないですから、事前に条件を確認しておきましょう。築年数や構造の条件については後述の「対象となる建物」を参考にしてください。

耐震基準適合証明書を取得できない物件も多い

住宅ローン控除等のために耐震基準適合証明書が必要な条件の物件のなかには、残念ながらこの証明書を取得できない物件もあります。しかも、そういった物件は決して少なくありません。

建物の耐震性能が一定の基準に適合したものであるかどうか、耐震診断によって確認するわけですが、この基準に適合しない住宅も多いからです。

傾向としては、築年数が古いものほど耐震性が低いので、耐震基準適合証明書を取得できない確率が高くなります。昭和56年6月1日以降の建築基準法の耐震基準がラインになるため、それ以前に新築された住宅では特に難しく適合する物件は非常に少ないです。

これ以降に新築された住宅であっても、建物の壁配置のバランスや劣化具合によって不適合となってしまう物件は少なくありません。アネストの耐震診断の実績でも、築年数が30年を超えると不適合になる確率が高くなります。

基本的には実際に耐震診断をしてみないことには適否の判断はできないものの、極端に可能性が低くないか、依頼する前に診断業者へ相談した方がよいでしょう。

不動産業者から教えてもらえないことがある

住宅ローン控除等のメリットを得るために、購入予定の物件ならば耐震基準適合証明書等の対応が必要であることを不動産業者が買主へ説明すればよいのですが、教えてもらっていない買主も少なくありません。

その理由の多くは、単純に不動産業者の勉強不足によるものです。

不動産業者は、不動産取引のプロであるはずですから、本来ならば必要な物件ならば買主へ説明してあげるべきだと考えますが、知識不足で気づいていない営業マンは多いです。買主が自分で勉強しておく必要があるわけです。

普段から中古住宅の売買をあまりしていない会社や不動産売買の経験が浅い担当者である際は注意してください。

引渡し後では手遅れになる

耐震基準適合証明書の取得時期には制限があります。購入する前に手続きをしておく必要があるのです。

引渡し後、確定申告の時期になってから、「耐震基準適合証明書を取得したい」と相談を受けることがありますが、残念ながらそれはできません。

必ず、引渡し前に診断業者へ相談して依頼しておきましょう。ちなみに、引渡し前ならば、売買契約の後であっても大丈夫です。

フラット35の適合証明書とは別物

住宅購入時に聞く機会のある適合証明書には、2つの書類があります。1つは、ここで取り上げている耐震基準適合証明書で、もう1つはフラット35の適合証明書です。

フラット35のものは、その融資(住宅ローン)を受けるために必要な書類であり、住宅ローン控除等とは関係ありません。この2つの書類は全くの別物ですから、両方が必要なら別々に手配しておく必要があります。

対象となる建物

耐震基準適合証明書が必要な建物について確認しておきましょう。これを確認するポイントは、対象物件が耐火建築物と非耐火建築物のいずれであるかということと築年数です。

・耐火建築物に該当する構造

耐火建築物とは、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)、コンクリートブロック造、れんが造などが該当します。

・非耐火建築物に該当する構造

非耐火建築物とは、木造、軽量鉄骨造が該当します。

築25年以下の耐火建築物と築20年以下の非耐火建築物ならば、耐震基準適合証明書などがなくても住宅ローン控除等のメリットを受けられます。逆にこの築年数を超えているなら耐震基準適合証明書などが必要になるわけです。中古住宅でもこの条件に該当すれば、よいわけです。

ここであげた構造を確認する方法は、建物の登記簿に記載された家屋の構造で確認してください。

ちなみに、耐震診断は木造住宅に対応したものであることが多く、木造以外の構造である場合、耐震基準適合証明書を取得することが難しくなります。

住宅ローン控除を受ける方法は耐震基準適合証明書だけではない

住宅ローン控除等のために耐震基準適合証明書を取得することが有効であることは理解できたと思いますが、実は、この証明書を取得する以外の方法もあるので、状況に応じてどの方法を選択するか考えておいた方がよいでしょう。

耐震基準適合証明書

耐震基準適合証明書とは、耐震診断を実施することで、耐震基準に適合しているかどうか判定し、適合している場合に発行される証明書です。不適合となった場合、耐震補強工事をしてから再診断することで適合させられることもありますが、工事内容やコスト面などから難しい場合も多いです。

基本的には、対象の建物が木造で耐力壁の位置を確認できる設計図がある場合なら、この耐震診断で進めることができます。

木造以外の場合や耐力壁の位置を確認できる設計図が無い場合は次に説明する既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書の取得を目指す方法を検討するとよいでしょう。

既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書

中古住宅の売買に際して、所定の検査を行って既存住宅売買瑕疵保険の基準に適合していることを確認できた場合、その保険に加入することで発行されるのが保険付保証明書です。

これは、耐震基準適合証明書と同じメリット(住宅ローン控除等)があるため、有効なものです。

しかし、耐震診断既存住宅売買瑕疵保険の検査も、結果的に不適合と判断されることがあるため、その場合、診断・検査費用が無駄になってしまうリスクがあることは理解しておきましょう。無駄と言っても、建物の耐震性や瑕疵保険の適合性がわかることは購入判断や購入後の建物のメンテナンスなどを考えるうえで参考になるので、費用が全て無駄になるわけではありません。

耐震基準適合証明書の依頼から発行までの流れ

ここまでの記事内容で、耐震基準適合証明書について多くのことが分かったと思いますので、この証明書を取得するための流れを解説します。

  1. 耐震診断を実施することを売主へ申し入れ
  2. 売主から建物の設計図を入手
  3. その設計図で耐震診断を実施可能か診断業者に相談
  4. 診断業者に依頼と日程調整
  5. 耐震診断の報告書受領と適否の確認
  6. 耐震基準適合証明書を発行してもらう(適合の場合)

以上が依頼から適合証明書発行までの主な流れです。

残念ながら不適合という結果であった場合、耐震補強工事をすることで適合させられる可能性や手間、難易度について相談し、場合によっては耐震改修業者(工務店)に工事の相談をするとよいでしょう。

耐震補強・改修工事を引渡し後に実施する場合でも、耐震基準適合証明書を発行してもらって、住宅ローン控除を受けられることはあるので、診断業者に相談してみましょう(現実的に困難な場合も多い)。

ここまで、耐震基準適合証明書について多くのことを書いていますが、これに関連する情報は以下の記事でも確認できますので、必要に応じて読んでおくとよいでしょう。

実際に耐震診断を依頼するなら、「一戸建て木造住宅の耐震診断」を見ておきましょう。

購入判断の参考になる中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)と一緒に利用することで、手間を減らすことや、費用負担を抑えられるメリットもあるので、一緒に考えるとよいでしょう。


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