「住宅の点検が無料!」そのような広告や営業に出会ったことがありませんか?当然、ボランティアでそんなに経費をかけて営業するはずはありませんので、目的があります。
無料で住宅(住まい)の点検をする代表的な目的はリフォームです。リフォーム工事の受注を目的として、無料点検や無料調査などと謳い、営業している業者があります。弊社では、全国で多くの建物調査をしてきましたが、以下のような事例がございました。
ある中古住宅を購入しようとしたAさんが、購入前に弊社のホームインスペクション(有料)を申し込み、弊社で建物調査を行いました。
築15年経過している為にある程度の劣化はあるものの、築年数相応のものであり、劣化した箇所も適切にメンテナンス(補修など)していけば、まだまだ永くお住まいになれるものでした。
その住宅診断(ホームインスペクション)の結果に安心し、 Aさんは契約して引渡しもうけ、入居されました。その数ヵ月後、Aさんから連絡があり強い口調で、
「シロアリがいるじゃないか!点検口から見ればわかるところに!」
と仰います。詳しく聞いてみますと、リフォームしようと考え、あるリフォーム業者に自宅を点検してもらったそうです。それはリフォーム業者が無料で行う点検でした。
その点検の結果が上記の通り、床下にシロアリが発生しているというものです。それで、弊社に建物調査してもらった直後にシロアリがいるなんて・・・、とお怒りだったのです。
慌てて、再度、建物調査に伺いましたが、その結果は・・・
シロアリなんてどこにもいないのです!
リフォーム業者に問いただすと、
「見間違えたかも・・・」
つまり、リフォーム工事の金額を増やす為に、とんでもない嘘をついていたようです。
本当の専門家が真剣に住宅を点検すれば、時間もかかりますしコストもかかりますので、無料や低価格では採算があいません。余計なリフォームの受注を目的として、そのような点検をしていることがよくあるので、注意が必要です。上記は、シロアリを例に挙げましたが、実際にはいろいろなケースがあります。
問題ない程度の外壁のクラック(ひび割れ)を大袈裟に説明して危機感を煽り、不要な補修工事を受注するケースもあります。なかには、本当に必要な補強や補修をせず、不要な工事だけしているようなケースもあります。冷静に考えれば当たり前なのですが、無料には無料の理由があるのですから、無料点検には充分に気をつけて欲しいと思います。
利害関係者の点検ではなく、
有料でも利害関係のない立場の
一級建築士を味方にして、
安心できる住宅点検をしてみませんか?