2006年08月05日
事故の教訓と危険管理 [コンサル日記(山下修一)]

「皆さんへ。
コンピュータというのは、壊れたり間違えたり
するものなんです。決して安心はできません。
危険管理の意識転換が必要なのです。」
最初からショッキングな言葉を発してしまいました!
まずはびっくりさせたこと。お許しください。
でも、この言葉。
過去に世間を騒がせた事件、
そして自分の経験から来ています。
たとえば、
コンピュータ関連では3年前に大事件がありました。
インターネット専用銀行(ネット銀行ともいいますね)、
すっかり世間では3大メガバンク銀行並みに認知されてきましたが、
そのうちのJ銀行で
『1日中まったく取引ができない!』
というシステム障害事故が発生しました。
銀行が丸1日取引できなかったということは、
メガバンクであるM銀行事件の記憶があったにせよ、
「過去最長のシステム障害事故」
だったようです。
私は以前その業界にいましたので、
おそらく復旧作業をしている現場というのは、
まるで戦場のように緊迫したものであったと想像します。
会議室で副社長・専務以下関係者が一斉に集まって、
調査⇒報告⇒会議⇒調査⇒報告という分秒刻みの進行で
「罵声」が飛びっぱなしの状況だったかもしれません。
さて、そのシステム障害の顛末がどうこうというのではなく、
「障害になる確率を小さくするために」
どう向き合っておくべきなのかということをお話しします。
障害事故ですが、
それが起ったときの重要な対処は次の3点だと思います。
まず、再優先でやることは、
まずは安全を確保して(=被害を食い止め)、早く回復すること
⇒システム障害の場合はデータの保護です。
一般的には「生命や安全を確保すること」です。
2番目は、なぜそれが起きたのか原因を突き止めること
⇒2度と起きないよう処置するためです。
一般的には「危険が起こる確率を小さくすること」です。
3番目は、次に起きたときの影響を最小限にする処置を講じること
⇒二重化、および、迂回ルートの設置など。
一般的には「二次防止機能、および、代替手段を講じること」です。
また、原因が不明というのは結構あるんですね。
コンピュータというのは所詮人間が作り上げたものですから、
複雑に要因が絡みあうと直ぐには分からないことが多いのです。
「再現待ち」と迷宮入りになってしまうこともあります。
私も過去に、
「しまった。やってしまった!」ことがあります。
情報処理ミスですが、システム障害につながりかねない事故でした。
サービス事業者のお客様で、
あるサービスをまだ利用されていない方へ、
「今度○○サービスをはじめませんか」
というダイレクトメール(DM)を送られるように、
コンピュータのプログラムを組んでおりました。
ところが、私のプロジェクトが納品したプログラムの条件判断(日付の判断)
が間違っていて、既にそのサービスを利用しているお客様だけ(DM)を
送ってしまっていたんです。
案の定、サービス事業者には、
「なんやこれ!おたくの情報管理どうなってるの?」
というお客様のクレーム電話が殺到してしまいました。
それ以来
「いくら注意をしても人間はミスをするもの。いつかは間違える。」
という「性悪説」を前提にし、不具合や故障が起っても・誰かが間違って
しまっても、他の機能がフォローするように設計・モノ作り・運用に取り
入れるようにしました。
そうすると、問題が発生しても影響が出ることには間違いないのですが、
早く発見してバックアップが働いたり、それ以上問題が進行しないよう
に対処することで最小限にし復旧も早くなりました。
それは、大きな意味で捉えると事故を防いでいると思うのです。
(最悪の事態を防止できる確率が高まるからです)
以上、コンピュータの分野でのお話をしましたが、
当然他の分野でもあてはまります。
たとえば、
コンピュータにあたるもの=建物、設備、環境など
プログラムにあたるもの=人間、教育、設計、管理体制、法制度、行政など
日常では色々な事故が起っています。
特に夏休みに入り、プールで悲しい事故がありました...胸が痛みます。
そんなニュースを見ていると、
自治体、企業、個人が今回のような「性悪説」を前提に危機管理やって
いるところっていくつあるのでしょうか?
と思ってしまいます。
⇒まだ、何か1つのものが正しい・完全であると頼りきっているような。
これからの危険管理意識。
もはや「性善説」が前提でなく、これからは「性悪説」に切り替えて
いく風潮になるべきでしょう。
~決して自分たちを過信しないように。。~
謙虚さを常に持っておきたいものです。
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